それはまた別のおはなし。

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zoom RSS 身代わり伯爵二次創作  いつか緑になる日まで(カイン×シルフレイア)

<<   作成日時 : 2014/06/06 21:00   >>

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身代わり伯爵といばら姫の憂鬱 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵といばら姫の憂鬱 (角川ビーンズ文庫)
清家 未森 ねぎし きょうこ

KADOKAWA/角川書店 2014-05-31
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こんばんは穂村です(・∀・)ノシおひさしぶりですー。
新刊は公式発売日より先に読んでます!読んでましたがあまりの可愛さに悶えてて、更新遅くなりましたすみません ……


今回は新刊でやたら可愛かったカイシルで書いてみました^^ わたしにしてはちょこっと長いかもしれません。
よろしくお願いしますー!




いつか緑になる日まで





その日久しぶりに顔をあわせた婚約者は、大変珍しいことに"彼の友人"を一人も…もとい、一匹も連れていなかった。

「…猫たちはどうされたのですか?」
「部屋に置いてきました。こちらを破かれるわけにはいきませんでしたので」

眠たげな眼差しの彼に差し出された包みを、シルフレイアは内心いぶかしく思いつつ受け取った。中身を確認してもよいかと尋ねると黙ったまま頷いたので、その場で梱包をほどいてみる。

「……まあ」

現れた品にシルフレイアは目を見開いた。
――これは長年探していた「呪いを解くためあなたができること」ではないか。元々の部数が少ない上に、古書としても市場にほとんど出回らないので入手をほとんどあきらめかけていたところだった。
思いがけない出会いに興奮も冷めやらぬまま振り仰ぐと、カインが僅かに頭を下げる。

「最近偶然にも所持者を発見いたしまして、交渉の末譲っていただきました。姫が探していらっしゃるのは存じておりましたし」

いただいた手紙の返事も滞り気味でしたので、お詫びもかねて。とつぶやくように続けた彼を、シルフレイアはじっと見つめた。こちらのことをそれなりに気にしてくれていたらしい。

「ありがとうございます。もう手にすることはできないと思っていましたので…嬉しいです」

礼を言って、シルフレイアは表紙をそっと撫でる。予想していなかった贈り物が、そして彼の気持ちが嬉しくて、知らず笑みがこぼれた。

カインがこちらを見つめているのに気づいて、表情をあらためたシルフレイアはひとつ提案をすることにした。

「わたしからもカイン様に贈り物をいたしたく思うのですが」
「…いえ、そのような…」
「とても嬉しかったので、その気持ちをお返ししたいのです。…だめですか?」
「……欲しいもの…といいますか…姫にお許しをいただきたいことならば」
「…許し…?」

問い返すと、「こちらを」とカインが一通の封書を差し出してきた。嫌な予感を覚えつつ、シルフレイアは中身に目を通した。

------------

本は気に入っていただけましたか?
手離す気なんてなかったんですけど、彼のいつになく熱心な様子にほだされちゃいまして。

すみません、ぼくの大事な蔵書をお譲りする代わりに、彼をまたしばらく貸してもらいますねーー

-----------------


「……」
まぶしい笑顔が脳裏に浮かぶような文面に、シルフレイアは眉をひそめた。
(またしてもベルンハルト伯爵が邪魔を……)
この可能性を失念していた。楽しげに逢瀬を妨害してくる彼の上官は、奇書稀覯書の愛好家でもあったのだ。先ほど感謝した気持ちを返してもらいたい。今でも彼とはなかなか会えないというのに。
(――いえ、だからこそ今のこの時間を無駄にするわけにはいかない)
シルフレイアは軽く頭を振り、ひとまず彼の上司に対する憤りは脇へ置いておくことにした。カインの袖を軽く引き、視線を向けてきた彼に宣言する。

「今日は一日離しません。猫たちもいないことですし、二人きりで過ごしましょう」
「――二人と言ってもマットが」
「わかっています」

カインが言いかけるのを手で制し、シルフレイアはくるりと振り返った。守護霊がいるとおぼしき空間に向けて語りかける。

「お父様。カイン様が大変紳士的な方だというのはもうお分かりでしょう。無体なことなどなさいません。わたしの選んだこの方を認めると、以前仰ったではありませんか」
「『しかしねシルフィ。こんな時間に未婚の男女が二人きりで』」
「未婚と言ってももうじき夫婦になるのです。もっと互いのことをよく知るための時間は必要です」
「『た、互いをよく知るってシルフィ!? 一体何をするつもりなんだい!?』」
「…何をって、お父様のほうこそ何を想像していらっしゃるのです…?

いらっしゃること自体はもう仕方ありません。出て行けとまでは言いませんから、静かに見守っていてくださいませんか。もしできないと仰るなら、目と耳を閉じていてください。
わたしに聞こえないからと言って、カイン様にあれこれ話しかけるのも禁止です。あと――」
「…姫。お父君がだいぶ落ち込んでおられますが…」

守護霊である父親との会話を通訳してくれていたカインが、ひっそりと口をはさんできた。彼の言葉に一瞬反省し、シルフレイアは口を噤んだ――が、その彼にも言いたいことがあったのを思い出し、シルフレイアはまっすぐカインに向き直る。

「カイン様も。わたしのそばにいてくださる時は、ちゃんとわたしに集中してください。お父様のことばかり気にせず、わたしを」
「……っ」


カインは一瞬黙ったあと、軽くのけぞるように一歩下がる。どうやら霊体である父に猛攻を受けているようだ、と悟ったシルフレイアは小さくため息をついた。


猫たちに、彼の上司に、己の守護霊。
恋人との時間を邪魔してくる彼らとの戦いは、まだ当分続きそうだった。



おわり




なんだかうまくまとまってないですが…; 
カインさんは以前セシリアさまの日記を猫が破っちゃって以来、少しだけそのへん気にするようになったかもな、という裏設定も書き損ねました(今気付いた)ので、補足しておきます。

もー可愛くて可愛くて!前からなんとなく気になる2人だったんですが、よもやこんな萌えるとは…と発売から一週間経つ今でもにやにやできるわたしです(・∀・)ああもう本当清家先生ありがとうございます…!片方が告白してるにも関わらず両片思い!きゃああああ(´///`)!←何度も繰り返している

熱が冷めないうちにあと2本くらい書いておきたいものですが、最近そう言って全然書けてないので、き、気長に待っていただけますとうれしいです _(:3」∠)_すみません。


いつもお越しくださりありがとうございます。心よりお礼申し上げます(・∀・)ノ
またよろしければ気持玉等で感想教えていただけますと喜びます♡^^
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なるほど(納得、参考になった、ヘー)

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
両片思いの二人…いいですね!

通訳による守護霊との会話が楽しい(*^^*)

大人っぽいのに可愛い雰囲気が出ていて
素敵なお話をありがとうございました ╹◡╹

2014/06/09 22:23
>梓さま

こんばんは^^
両片思いいいですよね…!カインが自分のことを(まだ)好きではないと思いこんでいるシルフィと、積極的に好意を伝えるわけではないカインの関係性に、未だににやにやとしております(・∀・)←

今まであまり描かれてこなかった2人なだけに、余計にたぎるものもありました…もっと読みたかったです。

嬉しいコメントをいつも本当にありがとうございます。
励みになります!
穂村まみみ
2014/06/12 20:56
初めまして、小桜と申します。
カインとシルフレイアのお話を探していてこちらへお邪魔しました。
この二人が大好きなのですがなかなか少ないのでお話が読めて嬉しかったです(*^^*)
片思いだと思い込んで積極的にがんばるシルフィが可愛くてたまりませんvv
両片思いでもどかしいけど萌えますv
そして以前書かれていた名前を呼ぶお話ではカインにキュンとして悶えましたvv
でもやっぱり真っ赤になりながらもがんばるシルフィが可愛いですvv
こちらにはたくさんの身代わり小説が置いてあるようなので楽しみに少しづつ拝見していこうと思います。
突然のコメント失礼しました。
小桜
2014/06/23 12:32
>小桜さま

はじめまして、穂村です。コメントありがとうございます^^
カインとシルフレイアの組み合わせいいですよね。
今までなんとなく気になるカップルだな〜と思っていたところに爆弾(新刊)投下で、今月ずーっと幸せな妄想を楽しんでおりました。両片思い…本当にもう…!///
以前はああいう話を書きましたが、実際のカインさんはもっとストイックにいろいろ我慢してたんだろうなぁとも、今回の新刊を読んで思いました…笑。
結婚式後にシルフィが驚いてたりしますでしょうか、ね。


わたしのブログは主に主役カップルの短い話を掲載していますが、時々そうじゃない人たちの話も入りますので、どれか小桜さまのお気に召すのがあるといいなぁと思います^^
コメントとてもうれしかったです。ありがとうございました!
穂村まみみ
2014/06/24 22:48

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