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zoom RSS 身代わり伯爵二次創作(現代版) 理人×未鈴「星降る夜に」

<<   作成日時 : 2015/04/07 21:15   >>

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お久しぶりです、穂村です!(・∀・)ノ
みなさん新刊読まれましたかっ。なんかもう面白すぎて、次でおわりだというのが本当に残念です…。

今回の新刊にたぎった結果半年ぶりくらいにひとつ書けました。と言っても現代版なんですがf(^_^;

ネタは婚前旅行からちらっといただいてます。相変わらずのふわっとした話です…
それではよろしくお願いします〜!




星降る夜に



「あ、ほんとに結構広いのね。ベッドも大きいし」
部屋を見て回っていた未鈴だったが、ドアから先に入って来ようとしない理人に気づいて首をかしげた。
「どうしたの? 何か忘れもの?」
「…いや。やっぱり俺は車でー」
「ちょっと待って、そんなの駄目よ! あなた1日運転して疲れてるんだしちゃんと休まないと。どうしてもっていうならあたしが車で寝るから」
「それは駄目です。あなたをひとりであんなところで寝かせるなんて」
「それはこっちの台詞よ。あなたのせいじゃないんだしそんなに気にしなくていいってば。2部屋予約してたのにホテルの人が勘違いしたんでしょ? 連休で他の宿も満室だっていうし仕方ないわよ」

もちろん最初は驚いたし困惑もしたが、珍しくかなり動揺した様子の理人が手を尽くしてフロントの人と共に他の宿を探す姿を見ていたら、申し訳ない気持ちがつのったのだ。こんな風に不測の事態で一晩を一緒に過ごしたことは過去にもあるし、長い距離を運転した彼はきっととても疲れているはずだ。
「あのっ、あたしなら平気だから。一緒の部屋で大丈夫です」
意を決してフロントの人に告げた時、理人が驚いた顔をしたのがわかったが、反論される前にと未鈴は素早く鍵を受け取り部屋に向かったのだった。


――そして現在。
「心配しなくたってあたし襲ったりしないから、安心してここで寝て!」
「そ…そういう心配はしてないんですが」
なおも躊躇う理人の腕を逃すかとばかりに掴み、未鈴はキッと睨みつけた。一歩も引かないことを悟ったのか、理人は小さくため息をついた後、苦笑して頷いた。
「わかりました。そうしたら朝までここで過ごしましょうか」
「う…うん!」
彼がやっと折れてくれたことにほっとして、未鈴も笑顔で頷き返した。

----------

「寒くないですか?」
「平気よ。さっきお風呂にも入ったし。でもあたしよりあなたの方が寒いんじゃない? 大丈夫?」
「ええ、係の方が毛布を多めに持ってきてくれましたから。そちらはあなたが使ってください。
では…おやすみなさい」
「うん…おやすみなさい」
部屋の灯りが落とされる。
ギィ、とベッドが軋んで理人が上がってきたのがわかった。たったそれだけのことで 心臓がうるさいくらいに騒ぐ。
(だ、大丈夫だってば。一緒の寝台は使ってるけどそれだけだし。理久と二人で寝てた小さい頃と同じと思えば…。理人は疲れてるんだし寝かせてあげなきゃ)
半分顔をうずめるように布団をかぶりなおし、未鈴は静かにするようつとめた。


そんな風に気づかわれてる理人だったが、こちらはこちらで眠れるはずもなかった。
(…寝息が聞こえてこない。まだ起きてるな…)
未鈴が眠りについたらそっとベッドを抜け出すつもりだったのだが。
もしかしたら計画を見透かされているのかもしれない。ふとそんな考えが頭をよぎり、口元が緩む。
(抜け出したら「その手には乗らないわよ!」って怒られるかな)
彼女は怒った顔も可愛いけれど、こんな時は少し困る。
未鈴の父親との約束もあるし、彼女を今ここでどうにかしようなんて勿論思っていない。けれど完全に理性を保てるかと問われたら…

「…理人? …まだ起きてる?」
その時小さく呼び掛けられた気がして、理人は我に返った。
「未鈴? どうかしましたか?」
枕元の灯りををつけて未鈴の方へ向き直ると、布団から顔と指先だけ覗かせている彼女の瞳に温かな光が揺らいだ。
「やっぱりあなたそれだけじゃ寒いんじゃないかと思って。だから、あの…よかったら、こっちに来ない?」
そう言って招くように掛布団を持ち上げる姿に一瞬息が止まった――が、すんでのところで踏みとどまる。軽く頭を振って煩悩を打ち払い、理人は未鈴を丁寧に布団でくるみ直した。
「ありがとうございます。今の言葉で十分心が温まりましたから大丈夫ですよ」
「心って、それじゃ意味な…」
「身体もですよ、ほら」
指先を軽く握ってみせると、未鈴が目を丸くする。
「ほんとだ。すごくあったかい…ていうか、熱いくらい…?」
「…あなたは無意識ですもんね…純粋な厚意からの発言だとはわかってます」
「へ?」
「なんでもありません」
怪訝な顔をする恋人の指を、名残惜しく思いつつも離す。
「ほら、早く寝てください。もう遅いですよ」
「うん……って、あなたもよ? あたしが寝たら抜け出すつもりなんでしょうけど、そうはいかないから。あなたが寝入るまではあたしも寝ないから!」
「やっぱりばれてましたか」
「何を笑ってるのよ? いいから早く休んでったら」
その後もしばらくの間、ベッドの上でひそやかな攻防は続いたのだった。



おわり


…に、しようと思ったのですが翌朝のネタが少し浮かんだので以下に続きます(・∀・)ノ




「……結局あんまり寝られなかったわ……」
バスルームで顔を洗った未鈴は、鏡にうつった自分の姿をしげしげと見つめた。寝不足のせいか目がうっすら赤い。
目をこすりながら部屋に戻ると、身支度を整えた理人が心配そうに顔を覗き込んできた。
「……大丈夫ですか?」
「へっ!? うん、全く問題ないわよ!?」
どうしてだろう、これくらいの接近は日常茶飯事なのになぜかいつもよりどきどきする。理人の顔を直視できず、慌てて未鈴は話題を切り替えることにした。
「昨日のおわびにって、朝食サービスしますって言ってたわよね。おなか減ったし行ってみない?
……あれ、朝食券ってどこに置いたんだったかしら。確かこのあたりに――」
「あ、これじゃないですか?」
チケットをつかもうと伸ばした2人の指先が触れ合う。
「きゃっ! ご、ごめんなさいっ」
びくっとして手を引いてしまい、2人の間に沈黙が落ちる。普段の自分ではありえないような言動の数々に未鈴は混乱していた。
(き、きゃっとか言っちゃった…! どうしよう、理人気を悪くしてないかな)

うつむいたままもじもじしていると、視線の先にあった彼の長い指が朝食券をつまみあげた。
「それでは行きましょうか。ここの朝食で出るフレンチトーストは絶品らしいですよ」
やわらかく微笑む理人は怒っていないようだった。その様子にほっとして、未鈴は赤い顔のまま頷いた。
「うん」

「……このままこの部屋に2人きりでいると、本当に抑えきれる自信がないですし」
「? 何か言った?」
「いえ、何も。朝ごはん楽しみですね」


そのあと美味しい朝食を心行くまで堪能した二人は、仲良く帰路についたのだった
……その後「二人の夜はどうだった?」と理久たちから問い詰められることになるのだが、それはまた別の話である。


(本当に)おわり



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