それはまた別のおはなし。

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zoom RSS 身代わり伯爵二次創作   百聞は一行にしかず(仮)

<<   作成日時 : 2015/11/02 18:41   >>

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お久しぶりです穂村です(・∀・)ノ
そして身代わり伯爵完結おめでとうございますーーー!!!!!
このあと短編集が予定されてるとはいえ、終わってしまったな…というさみしさや読み切った満足感やらがぐるぐる回っております。
そして半年以上ぶりにやっと一本書けました。


新刊のねたばれしまくってます。主に最後の部分です。勝手に例のシーンからねつ造しましたよウフフ
本編最後未読の方はそちら楽しまれてからのほうがいいかと思います……!
それでは、どうぞ。




百聞は一行にしかず



「………さて」


傍付きの者たちが退出し、扉が閉まるのを確認したリヒャルトがこちらに歩いてくる。
彼の視線を感じ、神妙な顔をして正座をしていたミレーユは、改めて居住まいを正した。隣に座る幼い息子は緊張しているのか、膝に乗せたもみじのような手がわずかに震えているようだ。

「日中、2人でいなくなったそうですね? 周りの者がお茶の準備をしている時に見えなくなったとか」

リヒャルトが静かに問いかけると息子―リヒトが、ぱっと顔を上げた。

「お母さまのせいじゃないんです! ぼくがうまく木にのぼれなくて、こまっていたらおしえてくださったの。しんぱいかけてごめんなさい、でもおこるならぼくにおこって、お父さま」
「ちがっ、リヒトは悪くないのよ。あたしのせいなの! 最初は口で説明してたんだけど、なかなか上手に教えられなくて。自分でやってみせたほうが早いかなって思ってつい――」

そう。つい、リヒトに教えつつ自分も一緒に木登りしてしまったのだ。
最初は苦戦していたリヒトだったが、一旦コツを掴んでしまうとめきめきと上達した。さすがリヒャルトの子、頭がいいと感心しながらミレーユも後を追いかけた。
そして樹上でふたりで眺めた景色は、胸のすくような素晴らしいものだった。


――不幸だったのは上った木がかなりの大木だったこと。
さっきまでそこにいたはずの大公妃と公子が突然消えて、地上ではちょっとした騒ぎが起こっていることに気付いたのは、満足感とともにふたりで木から下りてきた時だった。


「久しぶりに高いところに上って浮かれちゃって。ふたりでどこまでいけるか試してたら」
「いつの間にか下で呼ぶ声が聞こえなくなるくらい夢中になってしまっていたと」
「う………その通りです………」

冷静な声でリヒャルトに確認されたミレーユは小さくなった。
大公妃の自覚が足りないと言われたら返す言葉がない。さっきもルドヴィックから散々小言を言われたところだ。
ミレーユがしゅんとしてうつむいていると、頭上でふっとかすかに笑うような声がした。


「それで――木登りはできるようになったのか? リヒト」
「!」
緊張した顔のまま、こくりと頷く彼にリヒャルトも頷き返した。

「そうか。………よかったな」

リヒャルトが微笑んで頭をなでると、リヒトが目を丸くする。固まっていた頬がみるみるうちに上気し――花が開いたように笑った。

「うん!」


遅くまで起きていて疲れただろう、もう寝なさい――リヒャルトがそう声をかけると、ほっとして緊張の糸がゆるんだのか、眠そうに鳶色の目をこすっていたリヒトは素直に頷いた。


-----------------


「あの、リヒャルト」
「はい、なんですか?」
「改めて言うけど、心配かけてごめんね。そんなつもりじゃなかったけどいろんな人に迷惑かけちゃったし…最近自分でも落ち着いてきたなーって思ってたんだけど、気のせいだったみたい」
「そんなに気を落とさないでください。確かに驚きましたけど、ふたりとも無事でよかった」
「だめよ、そんなに優しくしないで! やっぱりけじめは大事だし、ちゃんと怒ってもらったほうがあとあといいと思うしっ。遠慮しないで、どんどん怒ってくれていいのよ?」

さあ!と促すと、目を丸くしていたリヒャルトが軽く噴き出した。

「なによ、なんで笑うのっ」
「いや………俺の奥さんは、やっぱり可愛いなと思って」
「は、はあ!?」

まさかの返しにミレーユは赤面した。そのままリヒャルトにぎゅっと抱き込まれ、額に軽く口づけをされる。

「怒るよりもこうしていたいな。今日はいろいろあって疲れたから………あなたを補給させてください」
「! ……うん!」

リヒャルトが甘えてくるのに嬉しくなって、ミレーユも彼の身体に腕を回し、ぎゅっと抱きしめ返した。

(リヒャルトが癒しを求めてる…! 何にしようかしら。はっ、そういえば昨日新しい薬草茶が完成したんだっけ。
ロジオンと味見してみたけどおいしかったし今入れてあげようかな。それと)

「………ミレーユ?」
「………へ?」

忙しなく"リヒャルト癒し大作戦"について考えていたミレーユだったが、名前を呼ばれて我に返る。振り仰いだ彼の瞳に若干の不満の色があるのを見て取ったミレーユは首をかしげた。

「なに、どうしたの?」
「俺がすぐそばにいるのに、余所事を考えるなんてひどいな」
「や、あなたのことを考えてたのよ!? どうやって癒してあげたら一番喜ぶかなって」
「そんなの考えるまでもないのに」
「あ………」

くすぐるように耳朶に触ってくるリヒャルトの手が熱い。同じくらい熱っぽい彼の視線に気付いたミレーユは頬を染めた。さすがにもう今は彼の要望がわかる。

「で、でもでも、疲れてるんでしょ? ほら、前に『好きって言ってくれたら嬉しい』って言ってたじゃない、あたしあなたほど詩人じゃないし、あんまりうまくできないかもしれないけど、今日はそれで」
「ミレーユ」
「っ!?」
「リヒトには実地で教えたのに、俺にはしてくれないなんてずるいじゃないですか。俺にもちゃんと教えてください」
「〜〜〜〜〜〜っっっ!」


真っ赤な顔をした可愛い妻に「あなたって本当に策士よね!!!」と言われたリヒャルトがなんて答えたのか。
それはまた別のおはなしで。


おわり





ありがとうございましたー!
久々に書くと本当に書き方を忘れていて。読みにくかったらすみません……m(_ _)m
そしてやりすぎた感もひしひしと。
ちょっと新刊読んでからずっと脳内お花畑で!恥ずかしくなったらまた別置しますので。はい。

本当に幸せなラストで、ずーっと心にぽっと灯がともってるみたいに胸が温かいです。
身代わりに出会えてよかった。そしてここでたくさん思い付きを書いて、それに温かい言葉をかけてもらえて本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

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