それはまた別のおはなし。

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zoom RSS 身代わり伯爵二次創作 「変わらないところ」

<<   作成日時 : 2017/01/08 22:05  

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遅ればせながら、あけましておめでとうございます(・∀・)ノ穂村です。
去年1回しか更新してなかった & にもかかわらずコメントや気持玉いただけて
うれしかったので年始にちょこちょこ書いてみました…まとめるまで時間がかかってしまいましたが。
本当は1月2日あたりにあげたかったんですががが


今回ちょっとアレなネタが含まれますので苦手な方はどうぞ無理なさいませんように(*・ω・)
アレと言ってもたぶんR12くらい……かなと……
恥ずかしくなったらぴくしぶさんとかに別置しますが、とりあえずこちらで。

それではどうぞよろしくお願いします〜





『変わらないところ』




前にもこんなことがあった。
すぐに思い出せる過去ではあるが、あれから随分時間も経っている。少しは平気になっただろうと思っていたのだが―――現実はそう甘くなかったらしい。

「うう、ご、ごめんね。また迷惑かけて……」

隣を歩くリヒャルトにミレーユは涙目で謝った。ほとんど足に力が入っていない自覚があるので、腕を貸してくれている彼はさぞ重い思いをしているだろう。申し訳ないと思うものの、今はどうしても離れることができない。

「フレッドの話がまさかあんなに怖いなんて…っ。ていうかいつの間に怪談大会に!? ああ…カインが一緒にいる時点で気づくべきだったのよね。久しぶりだったからうっかりしてたわ。前にもこんなことあったのに」

また繰り返してしまった。落ち込むミレーユに、リヒャルトが微笑んで首を横に振る。

「迷惑だなんて思ってませんよ。大丈夫ですか? ……つらいようなら抱えて寝室まで運びますが」
「いや、さすがにそれは恥ずかしいから! あともう少しだし大丈夫。歩いた方が気がまぎれるしっ」

慌てて断るも、リヒャルトの瞳は本気だ。早くたどり着かないと問答無用で抱き上げられる。そう悟ったミレーユは自分を奮い立たせて自室へ急いだ。

--

(無。…無…そう、集中…あたしは今やってることに集中してる。それ以外まったく、なんにも、一切考えてない…温かくして早く寝ちゃえばいいのよ…怖いことなんてない…ない…ないったらない……)

先ほど聞いた怖い話を思い出さないよう、ひたすら脳内を無にするよう努めながらミレーユはすみやかに寝支度を整えた。あとは寝台に潜り込むだけ――その時控えめに扉が叩かれた。未だびくびくしていたミレーユは思わず飛び上がったが、こんなノックをするのは彼しかいない。

「り……リヒャルト?」
「はい。……ちょっと入ってもいいですか?」

こわごわ問いかけた声に応答したのは思ったとおり、リヒャルトのものだった。さっき部屋の前で別れたので、てっきりフレッドたちのところに戻ったものだと思っていたのだが。どうやら彼はずっと部屋の前で待っていてくれたらしい。

「どうしたの? 何か忘れ物?」
「いや……そうじゃなく。あなたのことが気になって」
「えっ」

予想と違う答えにミレーユは目を丸くした。言葉の意味を理解すると同時に、胸がぽっと温かくなる。
あんなに怖がった姿を見せてしまったのだ、それを放置するようなことはできなかったのだろう。彼の変わらぬ優しさが嬉しい。


「ありがとう、リヒャルト。怖くて最後のほう全然聞いてなかったけど、すごく盛り上がってたのにあたしのせいで席を外させちゃってごめんね。
あたしはもう平気だから、みんなのところに戻って」
「……平気って、本当に? まだ手が震えてるじゃないですか」

ミレーユの手をそっと握り、リヒャルトは眉をひそめた。気づかれていたことに動揺したが、リヒャルトにこれ以上心配をかけるわけにはいかない。
(ええい、気合い入れなさいよあたし!)
こわばった頬をなんとか動かし、ミレーユはにこっと笑ってみせた。

「そんなに心配しなくてももうすぐ収まるわよ。いざとなったら扉の外にはロジオンもいるし、呼べばアンだって来てくれるし! ほんとにだいじょうー」
「……そこは『怖いから傍にいて』って言ってくれないと」
「え。………っ」

微かに苦笑したリヒャルトがぐっと距離を詰める。そのままちゅ、とついばむように口づけられて一瞬ぽかんとしたミレーユだったが、遅れてじわじわと頬が熱をもった。

「だっ、だってあなた、さっきみんなに『彼女を送り届けたらまた戻ります』みたいに言ってなかった?」
「みんなわかってますよ。俺がそのままあなたと一緒にいるだろうってことは」
「そうなの!?」

わからなかったのは自分だけかと、内心衝撃を受けるミレーユの頭をリヒャルトがなだめるように撫でた。撫でる手はそのままに、もう片方の手がゆっくりとミレーユの身体を引き寄せる。

「だからあなたの傍にいさせてください。……いいですか?」
「う、うん。もちろん。
……本当は怖かったから、一緒にいてくれて嬉しいわ。ありがとう、リヒャルト」
「――はい」

ミレーユが素直に感謝の気持ちを告げると、リヒャルトが少し驚いたように目を見開いて、そのまま柔らかい笑みを返してくれた。彼の笑顔を見ていると、先ほどまで恐怖話を聞かされて固くなっていた身体がほぐれるようで、ミレーユはほっと息をつく。

「でもこうなること、みんなも知ってたってことよね……何か恥ずかしいわ」
「……恥ずかしいですか?」
「恥ずかしいでしょ! きっとフレッドとかニヤニヤしてると思うしっ」
「はは。大丈夫ですよ。……もしかすると少しは話題になるかもしれませんが、今は怪談話の真っ最中ですからね。すぐ忘れてくれるんじゃないかな」
「うっ。そ、そうだったわ……」

思い出しついでに話の内容が頭をよぎり、ミレーユはぶるりと震える。鳥肌のたった腕をさすっていると、リヒャルトに心配そうに顔を覗き込まれた。

「すみません。思い出させるつもりじゃなかったんですが……まだ怖いですか」
「うっ……、いいえって言いたいけど、正直に言うとまだちょっと。
でもあなたのおかげでいつもより断然ましよ。普段だと一晩寝られないくらいだもの」

一人でいるとどうしてもね……とミレーユは遠い目をする。過去のあれこれを思い返していたミレーユだったが、リヒャルトに手を触られて我に返った。そのまま彼の長い指がするりと絡みついてくる。

「? リヒャルト?」

どうかしたのかと見上げると、笑みを含んだ鳶色の瞳に見つめ返される。

「怖い時は、その気持ちを紛らわせてあげるといいと思うんです」
「どうやって?」
「こうやって」
「―――――っ」

重ねて質問しようとしたミレーユだったが、それはかなわなかった。開きかけた唇にリヒャルトがかぶさるように口づけてくる。
はじめは戯れるように。そしてだんだんと甘く、心まで繋がりそうなくらい深く。
ミレーユの身体から力が抜けて、寝台に押し倒されるような形になるのにさほど時間はかからなかった。




彼の言うとおり、身体に意識が向くから確かに恐怖感を保ち続けるのは難しい。けれど――

「ど、ドキドキしすぎるからもう少しゆっくりしてくれる?」
「わかりました。……こんな感じ?」
「あっ、……う、うん……」

唇が離れた瞬間を狙ってミレーユが途切れ途切れに訴えると、かすかに笑ったリヒャルトが先ほどよりもゆっくりと、あやすように口づけを落としてきた。それと同時に、長い指に耳をなぞるように触れられ、くすぐったくて身をよじる。

「ふふ……くすぐったい」
「くすぐったいだけですか?」
「え? ………あ、っ」

耳に息を吹きかけられて、ミレーユの身体が僅かにはねた。じわりと赤くなる耳たぶに、軽く口づけを落としたリヒャルトがくすりと笑う。

「………今、ぴくってしましたね」
「………意地悪。わかっててやってるでしょ」
「すみません。あなたがあんまり可愛いから……」

許しを乞うように、おでこに、眉間に、鼻の頭に。唇に、頬に、こめかみに、耳に。途切れることなく優しいキスの雨が降る。その合間に大好きな声に、慈しむように名前を呼ばれ、そのたびミレーユの瞳がとろりと緩んでいく。
―――あたたかくて、とても気持ちがいい―――

リヒャルトの腕に身をゆだねて、ミレーユは静かに瞼を閉じた。




「ミレーユ? ………ミレー……、寝てしまったのか……」

途中で急に反応しなくなったミレーユを怪訝に思い、顔を上げたリヒャルトの瞳にうつったのは気持ちよさそうに眠る彼女の姿だった。
(これからだったのにな……)
少し残念に思うものの、青ざめていた彼女の頬に色が戻っているのは純粋に嬉しかった。微笑むような表情をしているから、きっと夢見も悪くないはずだ。
元々彼女は朝型だし、今日は遠方から兄と友人が来るというので早くから張り切って準備をしていたようだ。疲れが出るのも当然だろう。そう自分に言い聞かせながら、リヒャルトはそっとミレーユの頬に触れる。
(お疲れさま、俺の奥さん)
穏やかな顔で眠る愛しい妻の頬に軽く口づけて、リヒャルトは身を起こした。

―――続きは、また明日。



おわり








……ありがとうございました……<(_ _)>年始そうそうアレなネタですみません。
毎度のことながら……色々と……それでいて恥ずかしくなって途中で適当になった気もします(告白)
そして"また明日。"って締めくくってますが、続きません。あしからず。
そしてそしてきっと殿下はミレーユがこんな風に途中で寝ちゃっても許してくれるはず。だって自分も経験者だから!←



書いたきっかけはこの診断↓でした

【穂村まみみのリヒャミレの姫はじめ】
お姫様抱っこ→押し倒す→(暗転)→恥ずかしくなってくる→(暗転)→うたた寝
https://shindanmaker.com/305904


姫はじめと言いつつ、姫はじまらない話になりましたがいかがだったでしょうか?
楽しんでいただけてるといいな、と思います。


それではまた。感想や気持ち玉などいただけますととても喜びます!(・∀・)ノ
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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
リヒャルトの役得感を満喫できるお話に
にやにやしました(‾◡◝ )
彼は爽やかに好機を逃しませんね。

(暗転)→恥ずかしくなってくる→(暗転)
暗転が二回用意されているとは!
じりじりした甘さがまさに反映されて楽しい
ありがとうございます〜!

眠れないくらい怖いのを我慢していた後で
今度はドキドキしすぎるミレーユが可愛いです
〜緊張の糸が切れてうとうとしても大丈夫。
彼女を宥める殿下に羨ましさが(*´▽`*)

2017/01/09 23:10
>梓さま

こんばんは。コメントありがとうございます!
そしてお返事大変遅くなって申し訳ありません;

書いてる時はお題に沿うように…ということに
必死で気づいてなかったんですが、だいぶリヒ
ャルトがいい思いをする話になってしまいまし
た……(-v-*)いや、いいんですけれど。
本当は彼がちょっと不憫なくらいが好きなので

書くにあたり久しぶりに原作読み返して、
ミレーユ可愛いなー!って改めて愛でたり
してたので、きっと ミレーユの可愛さに
わたしの目がくらんでたんです。
ということにしておいてください^^

いつもコメント本当にありがとうございます。
すごく励みになります。心から感謝しております!(*・∀・)ノシ
穂村
2017/01/12 21:26
こんばんは。こちらこそコメントにお返事
いただきまして心から感謝しております(*^^*)
いただけるだけで嬉しいですので、どうか
お気になさらずに!

いちゃいちゃ禁止令に耐える時期も素敵です
よね。
間が悪くないリヒャルトに対してよかったね
の思いと、可愛いミレーユを独占できるとは
ぐぬぬとパパみたいなやきもきも…笑

まちがいなく私の目もくらみましたので眼福
のお裾分けをありがとうございます(´▽`)

2017/01/13 22:18
>梓さま

ま、またしても遅くなりまして…(_ _;)
お優しいお言葉いたみいります;;
ありがとうございます……!

いちゃいちゃ禁止令厳しくするとあとが
怖いんじゃない?って一度パパにフレッド
が進言してましたが、実際はどうだった
んでしょうね(・v・*)
彼のことですからミレーユが怖がるような
ことはしてないかな?と思いつつ
婚約当初は一日百回くらいキスしてた
らしいですし、そういうアレは復活した
のかなーとか。ウフフと妄想しており
ます。
そのへんちょっとでも短編集で触れて
もらえるといいのですが。
豆全サと短編集とどちらが先に出るかわかりませんが、久々の公式からの燃料投下、とても楽しみにしております(´∀`*)
穂村
2017/01/24 15:14

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